『川端の女たち』
原作・川端康成


Femmes de KAWABATA

川端康成は、敗戦後に「日本古来の悲しみの中に帰ってゆくばかりである」という決意のもとに作家活動を続け、日本人の心性であった「もののあはれ」の世界が、歴史の必然によって近代的世界にとって代わるのならば、自身もその滅びてゆく世界に殉じるしかないと考えていた。

その川端が小説に描く女性像を中心に展開する劇作品。川端から見た女とは、何者か?

2022年11月16,17,18日19時開演,
会場:l’Espace Culturel Bertin Poirée
8-12 rue Bertin Poirée 75001 Paris  

www.tenri-paris.com

料金 : 15 € / 割引き 12 € / MCJP会員 7 €
予約 : Tél : 01 44 76 06 06 /resa@tenri-paris.com

出演
弘子、田中三恵、一色紀穂、カーカム聖子、光永真美子、、三四郎、マダム・ワサビ、寺本一樹、ジンタ、平田こころ、岡本久美、飯塚陽子、高杉あかね、岡田小夜里

演出、脚色、振り付け、動画編集:岡田小夜里
翻訳、字幕 : ヴァニナ・ルシアニ
演出補佐・井上弘子
音響: 加藤梨華
照明: ファビアンヌ・ベレイトマン
劇中動画制作:川岸紀惠、田村紀子、岡田生一郎、雨宮範雄、サヤ・イー、サング-ソビ・ホム

協力 : 松浦晃一郎(8代目ユネスコ事務局長、元駐仏大使、パリ日本文化会館運営審議会共同議長)、)、パリ日本文化会館、曹洞宗聚林山興福寺、蜜澤アキ子(着物コレクショナー)、アトリエ・エフェメール、「日本について」協会、天理日仏文化協会
Association A Propos du JAPON 


あらすじ

Femmes de KAWABATA

千羽鶴

匂うような官能の幻想

亡き不倫相手の成長した息子と会い、愛した人の面影を宿すその青年に惹かれた太田夫人の愛と死を軸に、美しく妖艶な夫人を志野茶碗の精のように回想する菊治が、夫人の娘とも契る物語。
官能的な夫人の肉感に象徴される形見の志野茶碗の名器の感触と幻想から生まれる超現実な美的世界と、俗悪に堕した茶の湯の世界の生々しい人間関係が重なり合って描かれている。

“Femmes de KAWABATA”Trois pièces d’après l’œuvre de Yasunari Kawabata 2020

Femmes de KAWABATA

浅草紅団

美と醜が混在する風俗

姉を捨てた男への復讐のために、浅草の街をさまよう不良少年少女パフォーマンス集団「浅草紅団」首領の中性的美少女、弓子と浅草の裏社会に生きる人々の有様を綴る物語。関東大震災以降の都市の街並、浮浪者、乞食、娼婦、ポン引き、踊子、見世物小屋、エログロ・ナンセンスなどの美と醜が混在する風俗、新旧の現象が、世界恐慌から昭和恐慌の波が押し寄せる不穏な空気感を背景に、抒情的な目線で描かれている。

“Femmes de KAWABATA”Trois pièces d’après l’œuvre de Yasunari Kawabata 2020

Femmes de KAWABATA

雪国

定めない命の純粋

雪国を訪れた男が、温泉町でひたむきに生きる女たちの諸相、ゆらめき、定めない命の各瞬間の純粋を見つめる物語…愛し生きる女の情熱の美しく哀しい徒労が、男の虚無に研ぎ澄まされた鏡のような心理の抒情に映されながら、美的に抽出されて描かれている。



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