『メタ古事記』
スサノオとクシナダ


出雲大社奉納 創作劇:ヤマタノオロチ退治
2021年7月30日

出演:森瑞枝(金春流・シテ方)、岡田小夜里、川岸紀恵
音楽:慶九

脚色:岡田小夜里、森瑞枝
演出・構成:岡田小夜里

あらすじ
スサノオが高天原から降り立った出雲の国、肥の川の上流を通りかかったとき
「八岐大蛇に、姉たちを食われた」と嘆き悲しんでいるクシナダと出会う。
一人生き残った罪悪感に苦しみ、死を望むクシナダに、スサノオは真理を語り慰める。


人々が恐れる八岐大蛇が何であるか? スサノは、その実相を「人の恐れが見せる幻」と見抜く。
八岐とは、太極から発現した八卦になぞられ、森羅万象、八百万の神であると語る。
スサノオは、クシナダを櫛と変じ、共に荒ぶる八岐大蛇に挑む。
スサノオは、八岐大蛇へ本来あるべき姿について論じながら、霊験あらたかな舞を舞い、八岐大蛇を鎮め、人と八百万の神の調和を取り戻す。
スサノオは 、鎮静させた大地より現れた太刀を天照大神に献上する。そして、めでたくククシナダと結ばれる。

『Méta-Kojiki 』 題名の由来
Méta-Kojikiの  Méta は、Métaphysique(形而上学)の Métaから。「meta physika(自然・後)」が語源。その意味は“自然の後ろ”の探求、すなわち自然の背後や基礎を探るもの。MétaーKojikiは、本来のKojikiの一物語の背景の意味を創作で語ることを目指す。

企画意図
ハマタの大蛇の八頭を、八卦「乾、兌、離、震、巽、坎、艮、坤」に見立てる。太極から発現した八卦には、それぞれに方角や意味があり万物の 根元要素を表している。そして、これは 陰陽相対する四季、自然界の生死などとしてメビウスの輪のように絶えず流動し循環することによって調和を保っている。しかし、この循環が滞ったり、その全体の秩序が崩れると、調和が損なわれ、八卦は元凶となり脅威をもたらす怪物になる。ハマタの大蛇の脅威は、自然のそれを表していると仮説を取り入れ、 現代社会の環境問題への意識の高さに並行して、教訓的に自然との調和を示唆していく。

クシナダヒメは、古事記では櫛名田比売、日本書紀では奇稲田姫と記され、水田を象徴する女神とされている。クシナダヒメを食らおうとしたヤマタノオロチは、蛇などを水神として祀る場所が多くあることから、古くから氾濫を繰り返していた斐伊川を象徴しているのではないかという説がある。氾濫を起こしていた川(ヤマタノオロチ)が水田(クシナダ)を飲み込もうとするが、スサノオにより治水され平和になったという話にも成り得る。


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