細雪


谷崎潤一郎作『細雪』より

大阪の船場の旧家であった藤岡家の四姉妹、鶴子・幸子・雪子・妙子、昭和十三年を舞台に、それぞれの一年間の物語を、三女雪子の縁談話を中心に、四季折々の風物を織り交ぜて描く。
鶴子の婿養子・銀行員の辰雄が家督をゆずられたのち、父は死んだ。だが、借金が残っていた。次女の幸子は婿養子に計理士の貞之助を迎え、芦屋に分家している。三女の雪子はそろそろ婚期を逸しかけて、本家と芦屋の姉の家を行ったり来たりして暮している。末娘の妙子は雪子と正反対の行動的な近代娘だ。十九歳の頃、船場の宝石商のぼんぼん・奥畑と駈け落ちし事件を起こしている。妙子は、奔放に恋愛遍歴を繰り返し姉達をてこずらせている。『細雪』は、上流の大阪人の生活を描き絢爛でありながら、それゆえに第二次世界大戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包し挽歌的切なさをも醸しだしている作品である。

谷崎潤一郎について

1886年(明治19年)7月24日 – 1965年(昭和40年)7月30日
日本の小説家。明治末期から第二次世界大戦後の昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。現在においても近代日本文学を代表する小説家の一人として、評価は非常に高い。
1947年に毎日出版文化賞、1949年に朝日文化賞、並び、文化勲章授章、1963年には、毎日芸術賞受賞。
ノーベル文学賞の候補には、判明しているだけで1958年と1960年から1964年まで6回にわたって選ばれ‪、特に1960年と1964年には最終候補の5人の中に残っていた‪‬。最晩年の1964年には、日本人で初めて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選出された。‬‬‬‬‬‬

出演:田中三恵、弘子、小野作斗見、川岸紀惠、カーカム聖子、鞠和恵、池口亜優、庄司早希(子役)、三四郎、久田やすひろ、岡田小夜里
Voix off:ギーレヌ フェレ

演出・振り付け・シナリオ脚色:岡田小夜里
字幕: ヴァニナ・ルシアニ     
演出補佐:井上弘子                  
衣装 : アルベール美奈子、アグラエ・プラエット、セラフ         
音響・ペーパーアート: 加藤梨華
照明 :マルゴ・オリヴォー