赤線地帯


溝口健二監督の映画『赤線地帯より』

売春禁止法案が国会で審議されている頃、吉原の「夢の里」では娼婦たちがそれぞれの事情を背負って生きていた。ハナエは、結核を患って以来無職の夫と乳飲み子を抱えて、一家の家計を支えるために体を売る。ゆめ子は、祖父母と田舎にいる一人息子に生活費を送るため働き、将来息子との同居を夢見ている。妻を裏切る金持ちの商人である父に反抗し、不良娘になったミッキー。より江は普通の主婦に憧れて、結婚の準備をしている。やすみは客を騙して金をせしめ、仲間の娼婦に金貸しを行って更に貯金を増やしていた…

『心と現実 - 犠牲と勇気、絶望と狂気、そして悲劇… 古く昔から繰り返されるこうした不幸の中、娼婦である下品さとは裏腹に彼女たちの威厳が輝く』。

演出/振り付け:岡田小夜里