サロメ


オスカー・ワイルド作『サロメ』より

ヘロディアスの娘、サロメは、母の夫であるヘロデ王の気にとまるところとなる。王は誕生日の祝祭の際、サロメに踊るよう命ずる。命令を受け入れサロメは、“7枚のヴェール”のダンスを踊る。そして、捕らわれの身となっていたジャン・バプティスト(洗礼者ヨハネ/ヘブライ語のヨカナーン)の首を報酬に求めた…
ファム・ファタル(運命の女)- 拒否された女・サロメは、絶望の行為、あの『ネクロフィリア(死体愛)的なキス』に及ぶ程の極端な愛の形を象徴している。

「ああ、お前はその口に口づけさせてくれなかったね、ヨカナーン、さあ、今こそ、あたしはおまえの口に口づけするよ、ヨカナーン…」

ワイルド作『サロメ』と19世紀末のファム・ファタル の流行の発端となったハイネ作の『アッタ・トロル』の一部を取り入れた作品。愛する男に拒絶され、侮辱された女の運命は永遠に不毛の愛に生きること。罪の森を駆け巡る亡霊たちをなぞった登場人物、7人のスキューブ(夢魔)たちがサロメを操る。

演出/振り付け:岡田小夜里